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~ マニュアル(MT)車の魅力について ~
今回のコラムでは、現在日本で販売される新車(乗用車)で、シェアが『1%台』と言われているマニュアル(MT)車の魅力について解説していきます。
まず、日本においてAT車の普及が始まったのは1960年代で、1990年代から一気に増えました。1980年代まで新車販売におけるMTとATの比率は50/50でしたが、1991年に普通乗用車のAT限定免許が導入でAT車の比率が急速に高まり、1990年代のMT:AT比率はおよそ「20:80」 、2000年頃には「10:90」、そして現在では98%がAT車へ移行しています。
AT車は「運転が楽になるイメージドライブ」が目的の一つで生まれたものでしたが、現代ではキメの細かい走行や低燃費に対応するため、7速や8速、多いもので10速などという多段化や、可変ギヤ比で無段変速のCVTが採用されています。
そもそもマニュアル(MT)車とは…
マニュアルトランスミッションの略で、アクセル、ブレーキ、クラッチ、の3つのペダルを有し、自動でトランスミッション(変速機)をコントロールするオートマチック(AT)車とは違い、手動でコントロールする車です。
変速を変更するには、変速時にエンジンとトランスミッションを切り離す必要があり、左足部分にあるクラッチペダルを踏みこまなければなりません。
AT車のアクセルとブレーキの2つのペダルに加え、クラッチペダルを有するので、MT車を「3ペダル」と呼ばれる場合もあります。
MT車の魅力や特徴、走りは?
AT車と違い、渋滞時や低速時にはクラッチペダルの操作が多いため、疲れや面倒なイメージがつきまとうMT車ですが、一方、車速や道路状況で適切にトランスミッションを操作することで、ドライバーの意図や操作でダイレクトに意のままに車を操舵できる一体感を味わえます。
現在では、シフト操作を追求したスポーツ系モデルやレースの業界でも、その部分をコンピューター制御を用いた2ペダル車も採用されていますが、市販車のMT車はドライバーがそれを手動で操る楽しさがあると言えます。
1990年代のMT車の代表格は、国産スポーツカー!
『バブル景気と円高ドル安』から『排ガス規制と市販車の減少』へ
1985年のプラザ合意に端を発する「バブル景気」により「円高ドル安」が進みました。日本の各自動車メーカーは潤沢な資金を背景に魅力的なスポーツカーを開発し、90年代に黄金期を迎え、高性能で比較的安価な90年代の日本製スポーツカーやセダン型のMT車ターボモデルは、ポルシェなど欧州の高級スポーツカーにも引けを取らない高性能で、比較的安価でした。
しかしながら、排気ガス規制が厳しくなり景気後退などの時代背景とともに、新車のスポーツカーは淘汰され、当時のハイパワー車が多くあった時代と比べると絶滅寸前です。
だからこそ、90年代のスポーツ系のMT車は、名車として今でも人気を集め、更には世界的な注目を浴び、今でも色褪せない存在となっています。
1990年代の代表的なスポーツカー。
日産 スカイラインGT-R
▶︎初代スカイライン(ハコスカ)
GT-R GTとは「Grand Touring」の略 高速で遠乗りを楽しむという意味で、Rはレースで名をはせたスポーツカー「R380」のRに由来していることと、レース(Race)の頭文字。
国内・海外問わず価格高騰が著しく、50年以上前の新車価格の15倍以上となっております。
▶2代目スカイラインGT-R(ケンメリ)
「ケンメリ」というのは「ケンとメリーのスカイライン」という販売プロモーションのキャッチフレーズかた取られた呼び名です。
排ガス規制の関係でわずか4カ月間197台の生産
希少性もありハコスカ同様に価格高騰
1973年から1977年までの間、GT-Rの名前は封印されていた。
1989年に8代目スカイラインをベースに復活。2.6Lターボエンジンと4WDを組み合わせたモデル。レースも活躍し600馬力を超える高い潜在能力を持つエンジンを搭載しました。
▶三代目スカイラインGT-R(R35):
このようにスカイラインGT-Rは、その進化と伝統を持ち続け、今でも多くのファンに愛されています。
トヨタ スープラ
トヨタ自動車の上級スポーツカーで、北米のトヨタディーラーから直列6気筒エンジンを搭載したクーペ型車種を求める要望があり誕生したと言われています。
▶初代および2代目は北米では「セリカ・スープラ」として知られていました。
▶4代目までは直列6気筒エンジンを搭載し、スポーティ路線でフラッグシップスポーツカーに成長し、2019年にGRブランドの専用車種「GRスープラ」として復活。現在は5代目として販売されています。
ホンダ NSX
2シーターのミッドシップスポーツカーで、初代モデルは1990年から2005年まで販売されました。
NSXとは「ニュー」「スポーツカー」と未知数を表す「X」の「New SportsCar X」の略です。
エンジンはミッドシップに搭載され、後輪を駆動するミッドシップエンジン・リアドライブ方式(MR)を採用。
三菱 ランサー エボリューション
1992年に初代モデルであるランサーエボリューションIが発売されました。WRCのホモロゲーション取得用の車両として、小型車「ランサー」の車体に2.0 Lのターボエンジンを搭載した四輪駆動のスポーツモデルとして開発されました。そのパワーウェイトレシオは当時の一般販売車両として異例の数値であり、GT-R (BNR32) をも凌駕するものでした。エボIからエボXまで、それぞれ基本となる車体が異なっており、世代ごとに分類されています
マツダ(アンフィニ) RX-7
ロータリーエンジン搭載のスポーツカーです。
▶初代 :SA22C(FB3S)型(1978年 – 1985年)> マツダ・サバンナクーペの後継として、サバンナRX-7(SAVANNA RX-7)として1978年に発売されました。
▶2代目: FC3S・FC3C型(1985年 – 1992年)>1985年に登場した2代目RX-7は、よりスポーティで洗練されたデザインを持ち、エンジン性能も向上しました。
▶3代目: FD3S型(1991年 – 2003年)>1991年に行われたフルモデルチェンジで、アンフィニブランドからの発売となり、FD型は日本車で最後までリトラクタブル・ヘッドライトを装備した車種となり、スポーティな走りと独特のデザインで多くのファンを魅了しました。
スバル インプレッサWRX
スバル・インプレッサは、世界ラリー選手権(WRC)においてスバルが活躍した名車です。
▶初代インプレッサは、低重心でコンパクトなボディに2.0Lのターボエンジンを搭載し、WRCで優勝を飾りました。水平対向エンジンとシンメトリカルAWDの組み合わせが特徴です。
▶2代目インプレッサは、丸目から涙目、鷹目と変化するヘッドライト形状が特徴で、走行性能も過激でした。
▶3代目インプレッサはハッチバックスタイルで、ダブルウィッシュボーン式リアサスペンションを採用しました。
スバルのインプレッサ WRXは、その進化と伝統を持ち続け、今でも多くのファンに愛されています。
今も人気と憧れのスポーツカー!代表格のGT-R!
日産 スカイラインGT-Rは現在でも市販されており、日本国内はもとより海外でも人気で、特にアメリカでは、通称「25年ルール」と呼ばれるクラシックカーの登録制度が存在し、日本やイギリスで走っている右ハンドル車は、「製造から25年経過」していればクラシックカーとして輸入が可能で、関税や排ガス規制までも対象外です。
加えて、映画「ワイルド・スピード」やテレビゲームなどで日本のスポーツカーやターボ付のMT車が登場することで知名度も高くなり、レースに勝つためのデザインやパーツやスタイルも含めた走行性能の高さなどで人気に火がつきました。
そのため、1990年代の日本のMT車のスポーツカーの多くが新車登録から25年が経過したことで、人気が高く、今でも色褪せることなく存在し、日本国内はもとより海外のカーマニアを魅力していると言えます。
MT車は今でも選べる?楽しめる?
トヨタではスポーツタイプのMT車は「GR86」やGRスープラなどがあり、コンパクトカーでは「ヤリス」やSUVの「C-HR」があります。
マツダの「ロードスター」は日本が誇るFR(後輪駆動)のライトウウェイトスポーツカーでセカンドカーとしても良い選択でしょう。コンパクトカーでは「マツダ2」、セダン/ハッチバックの「マツダ3」、セダン/ワゴンの「マツダ6」、SUVでは「CX-3」「CX-30」「CX-5」に6速MTなどなど。
少しだけですが、こうして見渡すと普通自動車でもMT車の選択肢は意外と多く選択肢がある印象です。
軽自動車のスポーツタイプのターボ付きのMT車などでもセカンドカーとして楽しめそうです。
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